その他治療

ていねいな歯磨き・プラークコントロール

プラークコントロールとプラーク

プラークコントロールとは?

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プラークコントロールは主に歯ブラシによる歯磨きがあげられますが、他にもデンタルフロス糸ようじによる歯磨き、歯間ブラシによる歯磨き、リステリンなどによるぶくぶくうがい、砂糖摂取の制限、歯科医院で行うPMTC(機械的歯面清掃)などがあげられます。毎日(特に寝る前)のプラークコントロールはむし歯や歯周病にならないために絶対に必要な事なのです。

プラークとは?

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プラークとはデンタルプラークとも歯垢(しこう)とも呼ばれ、食べかすではありません。細菌(むし歯菌、歯周病菌)のかたまりなのです。しかもプラーク1g中には1~3兆個の細菌が含まれているのです。右の写真がその細菌の顕微鏡写真です。この細菌のかたまりであるプラークがむし歯や歯周病の原因なのです。すなわち、ていねいな歯磨き、ていねいなプラークコントロールこそがむし歯や歯周病の予防につながるわけです。

歯ブラシについて

歯ブラシの選び方

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ヘッド(歯ブラシの毛がはえている所)は小さめがいいでしょう。歯ブラシの柄はストレートで毛の硬さは普通か、やや硬めがいいでしょう。歯ブラシの毛はナイロン製(動物の毛は柔らかすぎて不可)がいいでしょう。

歯ブラシの交換の時期

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このように反対側から見て毛がはみだしたら、交換の時期です。最低でも3ヶ月は1本の歯ブラシがもつように(毛が開かないように)しましょう。3ヶ月未満で歯ブラシの毛が開いて交換するのは持ち方が悪いか、力の入りすぎです。毛が早く開くと(力が入りすぎると)逆にプラークは落ちにくくなります。中には1日3回磨いても1年間歯ブラシがほとんど開かなかった人もいるそうです。

 

歯ブラシは3本の指で持ちましょう

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このように3本の指(親指、人差し指、中指)で鉛筆を持つように持ちましょう。5本の指で歯ブラシを握るように持つと力がはいりすぎ、すぐに毛先が開いてしまいプラーク(歯垢)を落としにくくなります。また5本の指で歯ブラシを握るとストローク(動かす幅)が10mm以上に大きくなり、プラーク(歯垢)が落としにくくなります。

 

歯ブラシの基本的な動かし方

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歯ブラシは歯ブラシの柄の方向と平行に10mm以下の小刻みなストローク(動かす幅)で動かしましょう。 イメージとしてはゴシゴシではなくシュッシュッという感じです。

歯磨き粉について

まず歯磨き粉をつけないで磨いてみましょう。

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まず、歯ブラシを水にぬらすだけで、歯磨き粉をつけないで磨いてみましょう。歯磨き粉をつけないで磨くことにより、歯磨き粉の爽快感にごまかされずに、自分の舌で歯に歯垢が付いてるのが感じ取れるようになるはずです。また歯磨き粉を使うと歯磨き粉のあぶくで歯ブラシが歯にきちんと当たっているかを確認しづらいということもあります。歯磨き粉を使いたい人は最後に仕上げで歯磨き粉を少しつけて磨きましょう。

 

歯磨き粉について

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歯磨き粉はつけてもつけなくてもいいと思います。歯磨き粉の効果はあまり期待していませんので、薬用であろうとなかろうと、塩入でもフッ素入りでもなんでもいいと思います。「歯垢を落とすのは歯ブラシの毛先の弾力による機械的な力である」ことをお忘れなく。また「歯を白くする」といったうたい文句の歯磨き粉は研磨剤を多く含んでいることが多く、歯の付け根などをすり減らし知覚過敏になる恐れがあるので歯科医に相談の上お使い下さい。
 
上段 -------------------------- 知覚過敏用の「シュミテクト」
中段-------------------------- フッ素配合の「プロクトサンスター」
下段-------------------------- 塩入りの「ニューソルトA]

 

歯磨き粉の量

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歯磨き粉の量は左写真のように歯ブラシの毛先の3分の1位の量で充分です。それ以上たくさんつけても、歯磨き粉の効果は変わりません。研磨剤を多く含んでいる歯磨き粉の場合、たくさんつけ過ぎて知覚過敏になる場合もありますのでご注意ください。

 

歯磨き上手になるポイント

力を入れすぎると磨けない

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写真のように毛先が開いてしまうと歯に直角に歯ブラシの毛先があたらず、うまくプラークが落とせません。歯ブラシの毛先がわずかに曲がるか曲がらないか位が一番良いのです。

何より「寝る前の歯磨き」が一番大事!

磨く回数よりも、何よりも、寝る前の歯磨きが一番大事であると認識して下さい。寝てる間にむし歯や歯周病になるので、寝る前の歯磨きこそが、むし歯や歯周病の予防に非常に重要なわけです。どんなに朝起きてから一生懸命歯を磨いても、寝る前に歯を磨かなければ全く意味がありません。もちろん寝る前に歯を磨いた後は食事や飲み物はダメです。飲んでいいのは水、お茶、麦茶、ウーロン茶位です。

歯磨きの時間

やはり1回の時間は最低4分弱(28本で1本あたり8秒で3分44秒)は必要と思われます。特に寝る前は4分位は磨いて下さい。 日本人の歯磨き時間は平均20秒というデータもある位ですから4分という時間がいかに長いか1度スマホアプリのストップウォッチかキッチンタイマーなどで測ってみてはいかがでしょうか。 歯磨きの最初から歯磨き粉をつけると、あぶくですぐにうがいをしてしまうので最初は水で歯ブラシをぬらしただけで歯を磨くことをお勧めします。

歯磨きの回数

1日2回は少なくても磨きましょう。特に寝る前の歯磨きは一番時間をかけて丁寧にして下さい。 あと朝は生理的口臭(誰にでもある口臭のこと)が一番強いのでエチケットとしても磨いたほうがいいと思います。 たとえ1日5回磨いていても1回1回の時間が短ければプラークは落ちません。繰り返しますが、回数よりも、寝る前は一番時間をかけて、ていねいに歯磨きする事を心がけてください。

歯ブラシの当て方

基本的な歯ブラシの当て方

  • ポイント1
    歯の外側は歯に対して直角(90度)に歯ブラシをあてましょう。
  • ポイント1
    歯の内側は歯に対して45度位の角度で当てましょう。
  • ポイント1
    1回に歯2本分を磨く感じで小さいストローク(幅10mm以下)で20往復位しましょう。そして歯ブラシをあてる位置を2歯分づつ順次ずらしていきましょう。

前歯の内側の磨き方(ダメな例)

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前歯の内側は上の写真のように歯ブラシを当てているつもりでも実際に歯ブラシは前歯の内側に当たっていません。

前歯の内側の磨き方(良い例)

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前歯の内側は歯ブラシのかかと(歯ブラシの毛の一番手に近い部分)や、つま先(毛の一番手から遠い部分)と呼ばれているところで磨くといいでしょう。

 

犬歯の磨き方

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犬歯は右の写真を見てわかるように2面で構成されています。手前側の面(鉛筆で黒く塗っていない面)と奥側の面(鉛筆で黒く塗っている面)に分けて磨くようにしましょう。

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まず手前側の面に歯ブラシをあてて磨きましょう。同時に後ろ側の面も磨こうとするとどちらもうまく磨けないはずです。

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次に後ろ側の面に歯ブラシをあてて磨きましょう。犬歯以外の歯は1面で磨けます。

その他の注意点

歯垢がとれているか確認する

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できれば磨いている最中、特に磨いた後は鏡で歯垢が落ちたかチェックしましょう。つめで歯を引っかいて白いのりのようなものが付いてきたらまだ歯垢は落ちていません。また、時には写真の歯垢染めだし液を綿棒などを使って歯に塗ると歯垢が赤く染まるので、さらに歯垢の磨き残しが確認しやすいでしょう。自身の磨き残しの癖などもよくわかるでしょう。

歯ぐきのマッサージについて

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「歯ぐきのマッサージだけ」を意識して磨く必要はありません。歯の歯茎との境目を横に細かく磨けば、自然と歯と歯の間の三角の部分の歯ぐき(写真で赤い所)のマッサージ効果が得られます。歯ぐきのマッサージは自然とおこなわれているのです。

食後すぐに磨く必要はありません

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■食べカス(食べ物)が歯垢に変わるまでに24時間程度かかると言われています。従って、食べ終わってすぐに磨く必要はないのです。ただ寝てる間に歯周病菌やむし歯菌が活発に活動するので、寝る前は必ず磨く必要があるのです。

上の奥歯の外側の磨き方について

 

上の奥歯の外側を磨く時だけは口を閉じましょう。口を大きく開けると歯ブラシが手前に押し出され一番奥歯の外側に歯ブラシが当たらない時があります。注意しましょう。

デンタルフロス・歯間ブラシ

デンタルフロスの使い方

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①デンタルフロスは歯と歯の間を掃除する道具です。デンタルフロスにはすべりをよくするためのワックス(ろう)がついてるタイプとワックスがついてないタイプの2種類があります。はじめて使う方にはワックスがついてるタイプをお勧めします。

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②デンタルフロスを使う時は30~40cm位の長さにカットします。デンタルフロスの使用に慣れてくればもっと短い長さでも平気です。

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③まず両方の中指に3~4回巻きつけます。次に人差し指と人差し指の間のフロスが5~10cm位になるように長さを調節します。

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④片方の人差し指だけをデンタルフロスを指先に引っかけた状態で口の中に入れます。その状態で歯と歯の間に当てて(前後にゆっくり動かしながら)歯ぐきの方向に移動させます。歯ぐきまで到達したら、戻して下さい。歯ぐきを傷つけないように鏡を見ながらやってみて下さい。

歯間ブラシについて

40歳以上の方は、歯と歯の間のプラークコントロールには、デンタルフロスや糸ようじではなく「歯間ブラシ」を使いましょう。歯周病の原因となる歯と歯の間のプラーク(特に歯ぐきに近い場所のプラーク)はデンタルフロスや糸ようじで取るのは難しいのです。 また爪楊枝の代わりに歯間ブラシを使うのもいいでしょう。歯間ブラシのサイズは写真の左からSSS、SS、S、M、Lの5種類になります。初めて使う方は一番細いSSSか二番目に細いSSからお使い下さい。爪楊枝(つまようじ)では食べかすは取れても歯垢(プラーク)は取れません。歯間ブラシなら食べかすもプラークも取れて一石二鳥です。

歯間ブラシの使い方

 

歯間ブラシは歯と歯の間の歯ぐきに近いところを外側(頬側もしくは唇側)から通します。1箇所につき1往復で充分です。また通らないところを無理やり通す必要はありません。

 

歯間ブラシは直角に曲げると奥歯に使いやすいです。そのまま前歯にも使えますし、保存する時も曲げたままで保存してください。元に戻すと折れる可能性があります。

仕上げに必ずマウスウオッシュ(洗口剤)

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マウスウオッシュ(洗口剤)

 

仕上げはマウスウオッシュ(洗口剤)を必ずやりましょう。500mlボトルのキャップの半分位(1L~1.5Lボトルのキャップなら3分の1から4分の1位)の量を口に含んで30秒以上ぶくぶくうがいをしましょう。マウスウオッシュでうがいした後に水でうがいはしないようにしましょう。

電動歯ブラシ

電動歯ブラシについて

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電動歯ブラシはもともとは「高齢者の方」や「病気やケガなどで手がうまく動かせない人」のために考案されました。あくまでも歯ブラシの1種類とお考え下さい。昔は電動ハブラシが大きくて歯の内側などが磨きにくいなどの欠点がありましたが、最近ではかなり改善されています。ただ「歯ブラシの当て方や角度」が悪かったり、「全ての歯の外側と内側をまんべんなく当てているか?」や「1か所あたりの当てる時間」が短ければ、電動ハブラシに変えたとしてもうまく磨けないのは一目瞭然です。手を普通に動かせる人であれば、普通の歯ブラシで上手に磨けない(磨かない?)人が電動歯ブラシに変えたからと言って、磨き方のノウハウが同じであれば上手に磨けるはずありません。また電動ハブラシは本体はもとより替えブラシのコストが高いのも欠点です。

ていねいな歯磨きで一番大事な事

ていねいな歯磨きで一番大事な事は「ハード」より「ソフト」

ここで言う「ハード」「ソフト」は「硬い」「柔らかい」という意味ではありません。「歯磨き」で大事なのは「歯ブラシ」や 「歯磨き粉」などの「ハードウェア」ではなく「寝る前に時間をかけてていねいに磨くこと」や「歯ブラシをきちんと歯にあてること」「鏡を見ながら磨くこと」などの「ソフトウェア」が大事だということです。
  • ていねいな歯磨き
    プラークコントロールよく
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